―今年オープンの新店ですね。
6月21日に出店しました。幹線道路から1本入った住宅地のど真ん中という立地に加え、河川や国道、水処理場や工場などの施設がお客様の流入をブロックする要因となって、アプロ守口八雲店の商圏は閉鎖商圏ということができます。その上、限られた商圏内に関西でも有名な競合店がひしめき合い、かなり厳しい環境であると言えます。それでも、この中で「地域売上1番」を目指しています。
―地域1番店への考え方を。
大きくは、鮮度・品質を重視した生鮮強化と購買頻度の高い商品(コモディティ商品)は地域の安値に合わせ、「マックスプライス」という共通プライスカードのもとEDLP政策を推進するといった2本柱の徹底を図っています。
―生鮮強化について。
鮮魚については、バイヤー経験者を店舗の部門主任として迎え入れています。何といっても元バイヤーなので、市場交渉力が強いことが最大の武器です。この担当者が、直接、市場で仕入れを行います。その交渉力で、通常では出ないような価格で仕入れをすることができますから、お客様へは、お値打ち価格で販売することが可能となります。当店の売上構成比は青果18%、精肉14%、鮮魚11%、惣菜14%と、青果、惣菜の比率が比較的高い傾向にあります。特に惣菜は、ほとんどが店内調理したもので、通常のレシピのほか、たとえば、はもの天ぷらとか、お好み焼き風の卵入りいか焼きとか、地域のニーズに合ったメニューにも対応し、お客様から高い支持を受けています。
―アプロさんは個店主義で有名ですが。
地域を一番よく知っているのは店舗なので、できるだけ権限を委譲して、自分たちの店は自分たちでつくるという考え方が会社の方針です。それが個店主義といわれるゆえんだと思います。現在44店舗の各店ごとに、品揃えから仕入れ、価格付け、販売方法、売場づくりに至るまで、店長・主任を中心に行っています。当店では折込チラシも「店舗独自チラシ」で対応しています。当店も開店当初は本部主導のフォーマットからスタートしましたが、3か月を経過して徐々に柔軟に変化するべく店舗運営を行っています。
―具体的な施策をご紹介ください。
毎日、「朝市(開店~13時)」「夕市(16時~閉店)」を開催して、全部門、チラシにはない超特価で商品を提供しています。試食販売については青果、鮮魚、精肉、加工食品など毎日実施。ポイントの付与については、あえて定番化は考えていませんが、現在不定期で5倍ポイントDAYを実施しています。そのほかには、金曜日10%OFF企画。これは、8月23日からスタートした企画ですが、この日に各部門がいくら売るのかを明確にさせ、売場づくりを進めてさせています。今後はこれから新しく始める「金曜市」と組み合わせて相乗効果も図っていきたいと考えています。
―今後の抱負についてお聞かせください。
店ごとの個性を大事にするという会社の考え方は、お客様がいつ来られても買いやすくて、コストパフォーマンスが良い店であり続けるための施策だと思います。お客様のためになる店は、おのずと地域に根差した、個性的な店舗なわけで、当店を地域の方々の冷蔵庫代わりとして、1日何度でもご来店いただけるような店にしたいですね。それに、当店2階には当社の研修センターも併設しています。そのため、社内・外の人の出入りがとても多い店舗でもあります。どんな方がお見えになっても、「参考になる」と言っていただけるような店づくりをこれからもしていきたいと思います。