―ナガヤさんのプロフィールについて。
創業は明治3年、昭和32年からセルフサービス方式へ。伊東市全域の主要エリアに6店舗と自社の惣菜工場、パン工場があります。主な競合店はアオキさん、マックスバリュさんですが、カインズさんのようにホームセンターの影響も大きく、対策として生鮮部門の鮮度強化と少量パック化を全店で徹底的に推進しています。
―鮮度強化を具体的にご紹介ください。
社長からの超鮮度にこだわれ、という方針を受けて、精肉部門では昨年から細分化した小分けの真空パックで仕入れています。ロスの低減により価格、鮮度とも改善され、お客様の評価も上々です。鮮魚は地元市場の入札権があるので、地の魚は直接仕入が可能。鮮度と価格はどこにも負けない自信があります。青果は、産地から鮮度劣化を防ぐ新しい冷却方法の仕入れを開始予定で、販売まで1日短縮が可能になります。
―少量パックのお話がありましたが。
伊東市は、65歳以上がほぼ半数、若い人は出て行き、リタイアした人たちが永住するといった土地柄です。キャベツなどは1/4カット、固いかぼちゃはスライスして提供していますが、高齢者向け商品の開発は重要課題のひとつです。
―とくし丸の導入を決められたそうですね。
移動スーパーとくし丸に関しては、特に高齢者の買い物難民の方への利便性と、見守り隊という社会貢献から12月半ばに稼働予定です。正直、期待もあり不安もありというところです。
―ナガヤさんの強みとは。
地域密着が最たるものです。地域イベントの特注も多く、行政のオファーも多い。創業以来一貫した地域密着の企業として、いち早く要請があり、大体当社で受けることになります。
―具体的には?
お祭り、運動会など地域イベントの協力で特注をいただきますので、鎌田店の場合、10月の秋祭りでは返礼に20軒の祭典事務所にご祝儀を配ります。大手さんには難しい、イベントにあわせた特売、品揃えなどは得意技です。それから、定期的に現在7つの老人ホームに、自社パン工場の出来たてパンを無償配布しています。
―チラシが不定期とお聞きしました。
以前、チラシを曜日立ち上がりでやろうとしたところ、会長に「地域のために、その人の都合に合わせてやってあげるんだ」と一喝されたエピソードがあります。お客様の便宜を図ることが最優先だということです。小学校の運動会にまで合わせてチラシを組む時もありますよ。
―商品の差別化についてはいかがでしょう。
伊東市内の業者さんとのコラボ商品を積極的に導入しています。たとえば、茶どころ静岡の製茶工場とナガヤだけが販売するオリジナル煎茶は断トツの販売実績。また、自家製惣菜工場と生地づくりから完全自家製パン工場は大きな強みです。大手さんではアウトパック、こちらは自家製を強化して味と手づくりで勝負。
―売り場づくりで工夫している部分について。
毎月各バイヤーが商品を提示して店舗別や部門別に販売コンテストを実施しています。店舗規模が異なるのでPI値を使います。半年ごとに表彰しますが、特にパートさんの販売力、取り組む姿勢、モチベーションがすごく上がりました。
―今後の抱負をお聞かせください。
ポイント導入後、週に2回ポイント3倍デ―を設けて、買い上げ単価も上がってきました。改めてポイントは武器になると体感しています。ポイントのデータ分析により各店舗の地域特性に合ったお店を目指し、いつでも楽しくお買い物ができるナガヤに進化していきたい。まずはこのポイントをいかに活かすかですね。