ー県外初出店となる諏訪店とは、どういうお店でしょう?
高いものが全店で一番売れます。ふぐや金目鯛、金華豚、ナチュラルチーズも全店で一番、アイスバインが一日1、2本も売れる。
地元セレブが高いものを買うのでしょう。さんまは大きいもの。59円などではよそにあるからダメ。
アッパークラスはいいですが、ミドル、ロアークラスはいまひとつです。
ー企画やイベントなどの反応はいかがでしょう?
この地域は企画が割と当たります。全店での駅弁大会ではやっぱり一番。競合店も1週間前くらいにしましたが夕方に山のように残っている。
うちは2時で完売。よそは安売り中心ですから、諏訪店ではイベントを何やっても当たるんです。
ー4月開店からポイント会員の推移について伺います。
開店から順調です。毎週日曜日には、テーブルを出して受付をしています。10月は1ヶ月間で700名弱の入会で現在9千名を越したところ。
まず1万名、次に1万2千名が目標。客単価は徐々に上がり1〜2年で目標にいくのでは。
商圏が広く、店はいい、品ぞろえもいいし、値段も高くはない。高いものは全店で一番売れるのに、店全体の売上はまだまだですね。
ー売上を伸ばす工夫などは?
まだ会員でない方が、半分はいらっしゃる。足元商圏でも来たことすらない方がたくさんいるので、会員を増やすことが重要です。
お客様は独自化商品だけ買っていく傾向が強いと思う。デイリーの物は他店を買い回りしている印象ですね。
ですから今日、青果の責任者に指示して、諏訪だけやっていなかったイズミ農園(減農薬の野菜)をちゃんとコーナー化して、売上を作ろうと考えています。
ー『美味安心』の取り組みについてはいかがでしょう?
全店で一番売れています。「未来を担う子供たちのために開発したオリジナル・ブランド商品」という理念のもと、添加物いっぱいのNBでなく、無添加の安心・安全な、しかも食品本来のおいしさを感じられる商品を提供しています。
最近は一歩進めて、お年寄り向けに「アンチエイジング」、女性向けに「美しく」という考え方も取り入れ、医食同源ならぬ、「医美食同源」を意識しています。もう一つは『美味安心』のターゲットの子供たちの若い30代の母親向けに立ちあげたセカンドブランド『ビミ・ドゥーエ』。例えば、中国産の無添加の梅干し。国産で無添加は高いですが、こちらは298円で無添加でボリュームもあります。『美味安心』は全国で50社様が取り扱いされてますが、一番熱心なのは大阪のトップワールドさんでうちに匹敵するくらい売り込んでいただいています。
ー新商品ではどんなものがありますか?
ブイヤベースのスープ。NBで美味しいのがないんです。かりん糖は売れ筋ですが、うちのヒット商品「きなこ大豆」をヒントに「きなこかりん糖」を作ったところ、これが売れている。
ー新商品の発想はいつも考えてらっしゃる?
そうそう、いつも考えてるんです。スーパーの社長よりは面白い!?
ーお客様がいちやまさんに求めているとお感じになることは?
健康がなにかと話題になっているので、やっぱりそこを求めるお客様が多いですよね。それを一番感じたのは、例のセシウム問題。特によそのスーパーよりうちのお客様は敏感です。
ーいちやまさんならその問題に答えてくれるという期待がある。
そうかもしれないですね。産地はどこ?って、すごく聞かれました。まあ、青果物は当たり前だけれど、肉でも漬物でもお惣菜でもできるものは全部、産地を入れるように言った。お客様の知りたい情報は知らせることが基本です。
ー昨年は、3.11以降大変なご苦労がおありかと思いますが。
セシウム問題が起きた時に、例の汚染したわら問題ですが、全国に汚染が広がっているということで、国産の牛肉は全店で廃棄させました。牛肉は輸入牛を除いて、一切売らなかった。10日くらい経って、1頭丸買いで放射線検査済みのを売り出しました。
ー待ったなし、即断即決だったわけですね。
いやいや、そりゃ悩みましたよ。数百万円単位の廃棄だから。周りを見ると、黙って安売りしたり、知らん顔して売ってるところもあった。イオンさんはすぐに公表したのはさすがだったけど、その後の対応は一貫していないところも見受けられた。大きな組織だと現場を見ないで済ませるようなことがあるのではないかと。反対にそこは我々の強みだから。 現に全店を見渡しても、一時は苦戦しても比較的早い時期に取り戻しています。むしろ、地元の競合店の方がしぶといですよね。
ー諏訪店はこれからもっと元気になりますね。
その素質は十分にあると思います。今年は躍進の年にしたいと思います。
ーありがとうございました。