―サニーアクシス南国店のプロフィールをご紹介ください。
1994年4月の開業ですが、老朽化のため今年4月にテナント部分を中心に改装しました。サニーマート23店舗の中ではいの店と並ぶ大型店舗です。テナントさんは、物販16店、サービス10店、飲食7店の合計33店舗。南国市は人口約49,000人、約21,000世帯ですが、カード会員数は68,700人に上ります。数字からわかるように、東は室戸から西は高知市内までが商圏の広域型といえます。
―南国店のコンセプトをお聞かせください。
一言で表すと「“おいしい・うれしい・楽しい”を具現化する、食のエンターテイナーを目指す」ということ。2011年の実績では、生鮮3品の売上構成比が35%、惣菜を含めると48%、さらに日配を入れると60%。中でも水産は13%と圧倒的です。「食のエンターテイナーを目指す」コンセプトは、この数字からも読み取れます。また、今回の改装を機に、バラバラになっていた専門店ゾーンを全面的にリセット。直営であるスーパーについては、ここ2年伸び続けているため大きな変更はしないで、強みをさらに強く、弱いところは手直しすることに特化しました。
―強化と手直しとのことですが、具体的にはどんなところでしょうか。
まず売場強化の例ですが、圧倒的に強い水産部門の正面に魚惣菜売場として「旬魚惣」コーナーを設けました。魚の惣菜も刺身と同様に鮮度を追求するという考えから、地魚を目の前で、焼き魚やフライ、天ぷら、煮魚に調理して販売します。さらに、夕方には朝獲れた鮮魚を使った魚惣菜も作りたてで販売されます。また、一般の惣菜コーナーも、量り売りから対面販売に切り替えました。本来、製造・接客・販売業であるべき売場ですが、どうしても製造のウエイトが高く、これを改善するため今回の改装を機に接客販売専門のパートさんを配置し、顧客作りにもウエイトを置いていこうと動き始めました。現在、人材の育成も同時に行っています。
―そのほかの取り組みについてはいかがですか。
チラシと連動した売場作りを推進しています。チラシで提案する商品やレシピ情報などを売場で関連陳列して、同時にレシピも紹介しながらサンプル展示を行い、訴求力を高めてチラシと売場の相乗効果を狙っています。また、曜日ごとに圧倒的なテーマを決めて売場を演出しています。例えば「月曜祭」では、非日常をテーマに、わざとはみ出し陳列を「列車陳列」「新幹線陳列」として通路に配置。パン売場では、「タワー陳列」で強烈なインパクトの売場を作り上げ、毎週実施しています。そのほか地域密着のイベントとして、5月は、近隣の保育園・保育所・幼稚園の園児たち手作りのこいのぼり約420匹を店内に展示しました。7~8月には毎週水曜日の朝7時から「ラジオ体操大会」を実施したり、一日店員を体験できる「お仕事体験」を公募で年2回、学校単位で年2~3校、8月には全テナントさんと地元子供会、自治会と一緒になって「アクシス夏祭り」を開催しています。
―今後のビジョン、方針などをお聞かせください。
当店は従業員がセレクトし、自分の言葉で商品の良さを熱くアピールする「JHO」(地元の・本物・応援隊)売場があちこちにあります。実はサニーマートには「1=100」という、現会長が30年も前から提唱している言葉があります。クオリティーの高い商品を工夫して1個販売することは、一般商品を100個販売したことに等しいという意味合いですが、「JHO」はこの言葉の実践です。お客様に、もっとワクワクしていただきたいのは従業員全員の気持ち。しかし、従業員がお客様以上のワクワク感を持たないと、ワクワクできるお店にはなりません。従業員のワクワク感を、お客様のワクワク感が超えることはないという気持ちで、もっともっとマンパワーを強化したいと思います。そして、おいしい旬の、焼きたて、揚げたて、切りたて、届きたてを、人の手からお客様に勧めていきます。