―フレンドフーズ下鴨店はどのようなお店でしょうか。
下鴨店は京都市左京区で、周辺は閑静な住宅街です。2階建てで1階部分が120坪の売場となっています。フレンドフーズは全国のより良い商品を厳選してお客様にお届けすることがコンセプトなので、おいしいことは当然のこと、少なくとも体に悪い商品は販売しないことをモットーにしています。
―具体的なお店の特長、商品の特長などを教えてください。
コモディティ商品はあまり置きたくないので、まず自分で仕入れる商品の基準を決め、各部門で基準を設定します。たとえば牛肉はA5のみ、醤油は木桶を使って醸造されたもの、油は圧搾法の商品、酢は静置発酵法のものを厳選しています。
―こうした品揃えですと競合するお店もあまりないのではないでしょうか。
私が意識している競合店については、下鴨店の商圏には思い当たりません。私どもは値引きをせず特売チラシも打ちません。もともと価格志向ではないので、チラシを入れる意味がないのです。そのかわり、色々なお店へ行かないとそろわない「価値」ある商品が、フレンドフーズにいけばなんとかそろうとお客様に思っていただける店づくりを意識しています。本日販売している生産者が少なくほとんど地元と通販でしか手に入らない鹿児島の喜界島パインなども、お客様が探す代わりに私どもが生産者を開拓して提供しています。
―最近の取り組みはいかがでしょう。
自社ブランド「風漣堂」を立ち上げました。アイデアが浮かぶと自社で製品化します。最近の一押しは、下鴨店で石臼作りの「完熟赤山椒」、開発に4年かかりました。下鴨店には、この赤山椒を使ったマダムカステラ、カステララスクや、ローストチキンや鴨ロースも並べています。また、全国のSMにも卸しております。(ご用命の折はフレンドフーズ下鴨店、藤田社長まで。TEL.075-722-0451)
―そのほか、特に力を入れているところなどを。
改装3年後くらいに、2階の作業場から1階のオープンキッチンに主力を移し、惣菜に注力してきました。今では構成比12~13%を超える部門成長となっています。また1階と2階にスチームコンベクションオーブンを設置。社員からパートさんまでフル活用しておいしい商品を提供しています。こだわりは、店内で販売する調味料を使用し、だしは和惣菜はかつおとこんぶで一番だし、洋惣菜はブイヨンから自社で作っています。
―お客様はフレンドフーズさんをどう受け止めているのでしょう。
平成5年に増床して今の店づくりをしたのですが、当初3~5年間はしんどかった。お客様を選ぶ店と思われたのかもしれません。それでも、全国からおいしく、体に悪くない食品を提供し続けた結果、お客様が商品価値で来てくれるようになりました。チーズ・バターなどは、浸透するまでロスも多く売り場縮小の声もありましたが、今では安定した売上をキープしています。おかげさまで、現在はフレンドフーズファンのお客様がほとんどで、競合店にあまり左右されないようになりました。
―今後の抱負をお聞かせください。
まずは現在の店づくりをブレることなく極めること。同時に、面白い、よそにはできないPBに挑戦していきたい。日本の食品業界の技術革新は「早く」「安く」「大量に」を目指してきましたが、今なお手間や時間を惜しまず、守り続けている日本の伝統的食品があります。例えば、無殺菌で牛乳を出荷できる牧場、薬品を一切使わず酢と蒸気だけで不純物を取り除く製油屋、木桶で蔵付きの微生物と職人の腕で醤油を作る醸造元など、それらは間違いなく「日本の宝」でありながら、作り手の努力と熱意がなければ姿を消すかもしれません。ですから私たちは微力ながら、「日本の宝」を守る努力をして「おいしさ専門店」を目指していきます!