―まず最初に古志店長に伺います。中之町店の出店状況などお聞かせください。
中之町店は一昨年の10月に三原市内のドミナント強化を図るため、市内へは4店舗目、ニチエー全体で9店舗目の出店となりました。店舗は三原市内の北東部に位置して、約1km先に、GMSのイオン三原店と生鮮&業務スーパーエブリイ三原店があります。オープン当初は、新店のため発注の部分で苦労したのを覚えていますが、なにより力を注いだのは、忙しさでとかく見失いがちな、店舗の基本コンセプトや基本動作などの「基本の徹底」を常に従業員に意識させることで、これは今でも変わりません。また、できるだけ売場に出てお客様とのコミュニケーションをとるよう指示してきました。その甲斐あってか、最近はお客様から「ニチエーの商品は美味しい」「鮮度がいい」というおほめの言葉をいただく機会が増えてきたように思います。売上もハレの日だけでなく平日も伸びてきており、地道ながら着実に地域の冷蔵庫代わりになってきているように実感しています。
―基本の徹底とのことですが、お店のコンセプトについてご説明ください。
基本コンセプトは「私たちは、本物を提供します」です。本物とは「本物の商品(品質)」「本物の鮮度」「本物の味(美味しさ)」「本物の接客」のことで、これに沿って売場づくりを行っています。たとえば、「本物の商品(品質)」については、まず、美味安心、自然の味、ミールプラスほか、安心、安全な独自化商品の徹底した売り込みを行っています。また、当店は新店なので、お客様に早くお店を知っていただく必要がありました。そのために、まずは当店の商品を知っていただこうと、試食会には力を入れてきました。毎日の有人試食の実施はもとより定期的に大試食会を実施、商品の良さを実感していただけるよう徹底しています。そのほか、店舗周辺の地域特性として、高齢者世帯や核家族世帯が多いため世帯人口が2人程度と少なく年齢層も幅広い、という状況がありますので、その対応策として、ばら売りや少量パック販売などで買いやすい売場づくりにも力を入れています。次に「本物の鮮度」ですが、鮮魚部・青果部ではライブ販売の実施、こまめな鮮度チェックと日付チェックを徹底的に行い、鮮度日付切れのクレームゼロを目指しています。「本物の味(美味しさ)」では、商品の旬がわかる売場づくりや果物の糖度表示を徹底。クッキングサポートによる料理提案や店内放送でのできたて・切りたてアピールも実施しています。そして「本物の接客」では、お客様との会話のあるお店を目指して、笑顔で心のこもった接客はもちろん、名前でお呼びできるお客様を一人でも多く増やすことを心がけています。
―お客様とのふれあいを非常に大事にされているようですが。
ニチエーでは、地域社会とのつながりを強化することに特に重きを置いています。一例として、バレンタインチョコやひな祭りカップ寿司づくり、ハロウィンイベントなど、主に親子参加型イベントを積極的に開催していますが、おかげさまですぐに定員になるほど好評です。また、力を入れているハレの日の予約販売では、ご予約の方へ従業員手書きの感謝のメッセージカードを添えてお渡ししています。地域への貢献活動としては、オープン当初からコミュニティーBOXを設置。レシート金額に応じた地域団体への還元サービスを行い、各団体様からも喜ばれています。そのほか、高齢の方、自転車のお客様が多いため、お買物お届けサービスも実施しています。
―今後の店づくりについて村瀬店長に伺います。
基本コンセプトから描かれる店の形は、お客様が安心できる、安全な商品を提供する店、お客様が商品・従業員を信頼できる店、そして楽しくお買い物ができる店、地域の皆様に貢献できる店。これまで古志店長が築いたお客様への地道な取り組みを基礎に、さらにお客様も従業員も楽しいと実感できる店を目指します。加えて、一層の地域貢献活動を強化し続けることで、地域になくてはならないスーパーを目指していきます。