―お店はとても歴史がありますが。
東美浜町店の開業は1966年。開業以来、「衣・食・住」を扱う総合スーパーマーケットとしてお客様に寄り添ったサービスを心がけ、地域のお客様から支持をいただいてきました。主な競合店はGMSのダイエー、夢彩都(イズミ)、地場SMのまるたかとエレナの各店舗ですが、当店が長崎市市街地のほぼ中心に位置していることもあって、大型ショッピングセンターや他の地場SMなどの競合も少なくありません。
―お客様についてお聞かせください。
長崎市内でもやはり高齢化と単身世帯化が急速に進んでいます。またご存知の通り、長崎は坂道が多い町です。毎日のお買い物に負担を感じるお客様も多くいらっしゃいますので、そういったお客様へのサービスとして、現在5,000円以上お買い上げのお客様へ無料配送サービスを行っています。毎月1日に実施している「一日商い」(ついたちあきない)は、毎回5,000人を超えるお客様でにぎわいますが、その日は300件前後の宅配サービスのご希望があります。お客様からは「坂道の多い長崎では非常に助かっています!」との声も多く寄せられ、特に高齢のお客様には高いご支持をいただいています。
―商品づくりでも工夫がおありでしょうか。
高齢のお客様、単身世帯へ向けて、特に生鮮部門での個食化への取り組みには力を入れています。例えば青果では、野菜の2分の1、4分の1カットや2分の1束、カットフルーツのラインナップなどの強化を図っています。また、精肉では1人前パックの商品づくり、鮮魚では198円の食べきり刺身パックやお寿司の3貫にぎりなどを。そのほか惣菜部門では、毎週金曜日の惣菜50円バイキングが大好評で、1日3,000個を完売するメガヒット企画となっています。
―今後の取り組みについてお聞かせください。
東美浜町店では、もともと食品のみならず衣食住すべての商品が揃うGMSの特性を生かして、衣料・家庭用品等の宅配商品の充実と宅配サービスを向上させたい考えを持っています。加えて急速に進む高齢化と単身世帯化、坂が多い環境などの条件を合わせると、当然のことながら宅配システムのレベルアップは急務といえます。個人的には、宅配システムの先駆者として、よく知られたダイシン百貨店さん(東京大森)のお話しを伺う機会が一度持てればとも思っています。次に、目下の競合対応になりますが、当店と同じ商店街の中に数年前から小規模の産直青果販売店が多数出店し、青果部門も多少影響を受け始めているので、青果部門の強化を図っていきたいと考えています。そしてもうひとつは接客についてです。当店の鮮魚の対面コーナーでは、担当者が可能な限りお客様との対話を心がけることにより、おすすめ商品をお目当てに来店される常連のお客様が多数いらっしゃいます。このことからも、やはり接客は商売の要。大手SM、DSにはできない接客に磨きをかけ、より強い地域密着店舗として、これからも地域の方々に満足を届けられるよう努力を続けていきたいと思います。