―ヤマダイうばこ店はどんなお店でしょう。
ヤマダイの商品に対する考え方は、「こだわり商品」と呼ばれる、美味しい、安心・安全な商品をお客様に提供すると同時に、商品の良さや価値を伝えることだと思っています。お客様のために良い商品を仕入れても、陳列台に並べるだけでは、どこがどう違うのか、本当に美味しいのかは伝わりません。「こだわり商品」であれば、はっきり、わかりやすく伝える工夫へのこだわりも必要です。とりわけ生鮮品での「こだわり商品」の育成と発掘には会社一丸となっていますので、POPを駆使した価値の見える化、試食販売の重点実施による美味しさの見える化など、「こだわり商品」の良さをアピールし、お客様になるほどと納得いただけるように考えています。
―具体例をご紹介ください。
一例ですが、精肉は国産にこだわり、愛知産あつみ牛、もち豚、南部どりほかを取り揃えています。鮮魚は地元愛知豊浜漁港と石川県金沢市場から直送、ウナギは地元愛知三河産の生ウナギを自店で焼きあげて提供。青果では、自然な土壌を復元するネッカリッチ農法による「がんこ村野菜」などのこだわり野菜も扱っています。現在青果の仕入れは名古屋の中央市場が中心ですが、産地直送や地場の刈谷・大府市場などからも美味しさにこだわった仕入れを増やし、30%強の構成比をさらに高めたいと考えています。
―うばこ店開店当時のお話しを伺います。
うばこ店は、4年前にローカルスーパーの居抜き物件を改装して出店しました。従業員の方々もその多くを継続雇用させてもらいました。当初は、会社の考え方や環境の変化などにより、作業面等で戸惑う場面もありましたが、ヤマダイの理念が理解されるにつれ、今では重要な戦力として活躍してもらっています。特にパート従業員の方は、この地域を把握されているので、貴重な意見やアドバイスを参考に商品選定やイベントなどを行っています。この6月の父の日イベントでは、お父さん向け商品のラインアップや、お父さん似顔絵を店内に貼りだしてご好評いただきました。
―お店を取り巻く環境などは。
当店は、名古屋市のベットタウンとして人口増加している緑区で、JRA中京競馬場から約1kmの距離にあるため、競馬開催時は周辺道路が大変混雑します。人口増加地域の特性から、毎年のように競合店が増え、大手SMからGMSまで、商圏3km内に現在6店舗。そうした競合店に対しては、食を通じて地域のお客様の食生活を豊かにするという考えのもと、「美味しい」「安心安全」「地産地消」をキーワードに、差別化できる売場づくりとサービスを心掛けています。お客様からは競合店となるバローやマックスバリュ各店に比べ、特に生鮮品の鮮度が良い商品や美味しい商品があるとお聞きしておりますので、そこは絶対に負けられないと気持ちを奮い立たせています。
―こだわりのお店を今後どのように進化させたいと思われますか。
従業員が食に関して、知識を深め、お客様に説明できないと、せっかくの「こだわり商品」も販売できません。やはり従業員の教育を通じて「人間力」を上げなければなりません。そこで今期は、お客様向けの食の勉強会や産地見学、工場見学を実施。推進する従業員は事前に知識を習得しなければならないので、そこが狙いです。また、私たちの企業は、経営理念とは別に「お客様への4つの約束」を掲げ実行し続けるよう努力しています。「あいさつをきちんとします」「品切れをしないようにします」「衛生管理を徹底します」「美味しい商品を提供します」。このようにすべてが当たり前のことですが、この「凡事」を徹底することがお客様への満足を高め、生き残るためのポリシーと考えます。