―音更店店長としてご苦労されたことは?
平成21年5月1日に株式会社オーケーは、株式会社ダイイチの子会社になりました。私は音更店の店長として部門チーフ6名と出向。店長として最初で最大の関心事は、いかにオーケーの従業員の方々とうまくやっていけるか、ということでした。私は各部門チーフに、反感や不安を感じさせずにダイイチのシステムやルールを浸透できる方法を提案してもらいました。まずは社員の方々に業務を習得してもらい、順次パートナーさんに引き継ぐという提案が良いと思い、翌日から発注や陳列など日々の作業オペレーションの説明から始めました。ところが2週間ほどで、パートナーさんから不満が出始めたのです。「社員だけに教えて、私たちには教えてくれない」ということでした。そのとき、「はっと」気が付きました。やり方、進め方が間違っていると。思えば、前にいた芽室店でのこと。副店長から店長になりプレッシャーに押し潰されそうだったある日、惣菜のパートナーさんが「店長、今まで通り私たちに接してくれればいいのですよ」と言ってくれたのです。急に肩の荷がおりて自然体で仕事が出来るようになったのを思い出しました。あのとき、自分たちのことを変わらずに信頼してほしい、と伝えたかったのだと思います。オーケーのパートナーさんもとても優秀で、日ごろから作業改善などに取り組むとともに、ダイイチのシステムや作業改善などにも興味を持ち、今まで以上効率が上がり働く環境も改善されるのではと期待していたのです。パートナーさんに大変失礼をしたと思い、即やり方を変更、社員と一緒に取り組んでもらうための項目を決めました。同時に、十分理解できるまで、チーフミーティングで各部門共通の問題として取り上げるなどフォロー態勢も整えました。
同年5月23日に全面改装オープンし、売場も商品もダイイチ仕様になりました。音更地区にはダイイチがなかったので、新規のお客様には大変好評でした。一方、古くからのお客様からは、相次いで「今まであった商品がない」とご指摘がありました。さっそくグロサリーのパートナーさんに確認したところ、毎日来られるお客様の大半が商売の方で、特殊な商品も新規の特注商品でも取り寄せで対応していたとのこと。さっそく取り扱いを復活できるようダイイチ商品部のバイヤーに相談すると、バイヤーは大至急アイテムを登録し発注できるようにしてくれました。この時のバイヤーの決断と対応の早さが「オーケーさんはすぐ対応してくれて助かった。これからもよろしく」と、お客様をつなぎ止めたのです。今後も出来る限りご要望をお聞きして、親切な対応を心がけたいと思います。
―自社競合店が出店されますが。
今年の11月に親会社のダイイチがホームセンターのホーマックさんと組んで出店しますが、真の競合はアークスグループのフクハラさん、JAグループのハピオさん。ダイイチとは切磋琢磨してシェアアップを考えています。とはいえ店長としては対策が必要です。ダイイチとオーケーは社長も、商品・鮮度・品揃えなども一緒なので、良くて引き分けか、最新のノウハウと集客力のあるホーマックさんを擁する先方が有利でしょうか。また自社競合は他社より影響が大きいことも予想されます。現在、ダイイチになくオーケーにある戦力の1つはブルーチップですが、ポイント乱発などには依存しません。品揃えや価格、鮮度管理やニーズに合った売場、演出などは出来て当たり前、店長としてやるべきは付加価値をいくつプラスできるかです。私は、チェッカーさんはじめ従業員全員の笑顔と親切な接客に加えて、ブルーチップさんの、お客様に楽しさを提供できる企画や交換商品があればお客様の満足度が増すと信じます。年末はオーケーとダイイチの「切磋琢磨」と競合店との戦いを見に来てください。皆様の参考になるかも?しれません。