―リニューアルオープンとのことですが。
1990年に開店した旧店舗を約3か月間かけて改装し増床オープンしました。当店のある総社市は、岡山市、南部の倉敷市と2大都市に隣接し、近年では住宅都市・学園都市として発展、人口も増加傾向にある地域です。そのため競合各社も多く、約1km圏内にハローズ総社店、ディオ総社店、コープ総社店。周辺には山陽マルナカ、天満屋ストアーなど県内有力企業がひしめく、競争が激しいエリアとなっています。リニューアル後は売り場が約2倍になり、お客様にとって格段に買い回りしやすくなったと思います。同時に幅広い品ぞろえや、こだわりの品ぞろえも可能となりました。当店の目指すところは、お客様にとって「私のお店」と思われるお店です。これは、ニーズの多様化に対応するため、品揃えの豊富さや質の向上を目指して誕生したフードバスケットの考え方を基本にしていますが、今回のリニューアルによって、コンセプトをより実現できる環境が整いました。
―品ぞろえなどはどう変わりましたか。
青果では「地産地消コーナー」を拡張。精肉はもともと支持が高かったのですが、さらに幅広いニーズに応えるため、リーズナブルな大容量パックから個食対応の少量パックまで品ぞろえを拡大しました。また、あまり市場に出ない岡山のブランド和牛「千屋牛」(ちやぎゅう)や、同じく地元のブランド「ピーチポーク」も扱い、これらの商品は幅広い客層からの支持を得ています。鮮魚では、朝どれ地魚の対面コーナー販売や「三崎まぐろ」など、産地にもこだわっています。新しいチャレンジとなるインストアーベーカリーでは、朝10時と、17時半に焼きあげるホテルブレッドが大人気。毎回即完売とうれしい悲鳴です。そのほかには、今後増加が見込まれるファミリー層へ対応するため、お子様用ショッピングカートを増設しました。特に「二人乗り用ショッピングカート」は、お子様が乗りたいからとご来店されるほどの人気です。また、高齢者の囲い込み企画として、毎週木曜日のシルバースタンプデーを実施。お買い物の楽しみが増えたとシルバー世代に喜ばれています。
―リニューアルでご苦労されたことなど。
改装期間中は、近隣の80坪程度の仮設店舗へ、お客様を誘導しながらの営業でした。売り場も狭く品ぞろえも不十分でしたが、ポイント2倍や、品ぞろえができていない商品は、ニシナ他店からのお取り寄せサービスなどで、極力ご不便のないよう心がけました。その時ご来店のお客様には感謝しきれませんが、仮店舗でニシナファンになり、新店へ引き続きご来店されたお客様から「また来たよ(笑)」とお声がけいただいた時は、感慨深かったですね。まさに継続は力、「お客様との接点を持ち続ける」ことの大切さを再認識できました。
―今後はどんなお店にしていきたいですか。
特に生鮮、サービス面では、価格、味、鮮度の訴求はもとより「毎日ご来店いただいても飽きさせない」楽しさや驚きのあるお店にしたいと思います。食はお客様の健康に直結するので、現行の健康食品コーナーに加え、アレルギー対応商品コーナーなども考えています。また、お肉のオーダーカット、お寿司のネタの指定、アレルギー対応など、お客様のご要望に可能な限り応える「スーパーなのに、肉屋、魚屋、仕出し屋さんのサービスをするお店」もいいですね。それから、安さが売りのディスカウント店や大手企業には、最終的に価格(安さ)だけでは勝てません。別の「やすさ」=「選びやすさ」「買いやすさ」「気やすさ」「来やすさ」「居やすさ」などをお客様に感じていただける店作りができれば差別化にもつながるのではないでしょうか。リニューアルを機にさらに幅広い客層に支持していただけるよう、もっと地域に根差した品ぞろえと、お客様の側に立ったサービスを磨いていきたい。お客様に毎日楽しく利用していただき、従業員とお客様の間に、常に笑顔と会話と元気が飛び交うお店にしたいと思います。