―独自商品が多いとのことですが。
大野屋長尾店は、神奈川県川崎市の旧向ケ丘遊園地あと、現在は「藤子・F・不二雄ミュージアム」の近くにあります。当店の周辺には、商圏2km以内に大手SMなど10店舗の競合店がひしめいており、かなり厳しい商環境だといえます。大野屋にとって他店との差別化は、現在も今後も大きな命題のひとつです。“大野屋にしかない”商品を充実させることが、お客様の価値となることを信じ、お客様の“美味しい食卓応援団”として、安心・安全で美味しい食材、近隣の競合店では取り扱わない商品を中心にセレクト、品揃えを行っています。
―手書きのPOPが目立ちますね。
どんなに良い商品、独自のこだわり商品を取り揃えても、お客様にその商品の良さや特長などが伝わらなければ、その価値は下がってしまいます。当店では、まず興味を持っていただけるよう、できるだけ手書きで、いわゆる「コトPOP」による商品案内を掲示しています。大野屋には秘伝の“どんたれ”というのがあります。どんたれ自体は商品ではありませんが、材料に日高昆布や焼津の花かつお等々自然派食材をふんだんに使用していることを、手書きPOPで表示しています。このたれを使った当店の煮物は一味違う、美味しいと評判で、今や売れ筋商品として定着しました。お客様が召し上がった時に、なぜおいしいんだろう、何が入っているのだろうと感じ、POPを見てなるほどと納得される。こうした繰り返しが商品への信頼へつながっていくのだと思います。
―大野屋自慢の商品をいくつかご紹介ください。
鮮魚部では小田原港で水揚げされた朝獲れの鮮度抜群の鮮魚をご提供。夕方から旬の鮮魚の切りたてを並べることもありますが、お客様はよくご存じですぐに売れてしまいます。また、毎年GWの恒例ですが、大野屋社長自らトラックで千葉勝浦に朝獲れかつおを買い付けて、昼に到着しだい刺身や自家製のたたきなどで陳列、鮮度バリバリのかつおが大好評となっています。青果部でも、鮮度抜群の地場の野菜を揃えて、地産地消に一役買っています。そして大野屋イチ押しといえば自家製の西京漬。一度食べたらハマる人気のひと品です!日配、グロサリー部門では、こだわりの味協同組合の“自然の味”ブランドをおすすめしています。添加物を使用せず、国産原料にこだわった本物の味でリピーターのお客様も多くいらっしゃいます。当店は、地域密着SMとしてお客様のご要望にできる限りお応えするため、従業員全員が“お客様目線”で判断し、対応できるよう心掛けています。「お客様の喜び、幸せが我々の喜び、幸せになる」をモットーに、従業員全員に、大野屋の使命とするところ、コンセプトをよく理解してもらい、本当に感謝しています。当店は、お客様との距離がとても近い店だと思います。お客様は買い物に来られるのと同じくらい当店の従業員に会うことを楽しみにされている、と言っても過言ではありません。
―今後やっていきたいことは。
より“大野屋らしさ”を確立するべく、売る側の我々が商品知識をより習得し、本当の意味での“安心・安全・美味”を自信をもっておすすめできるようになっていかなければならないと思っています。そのために、定期的に実施しているお客様を交えた“食の勉強会”もさらに活用して、そこで得た情報、知識などは『コトPOP』でお客様へ伝え、皆様の食育のお手伝いをさせていただければと思っています。当店は10年前に店内改装を経て20年近く、ここ川崎の多摩区長尾で近隣のお客様とともに成長してきました。これからも、お客様がまた来たくなるお店を目標に、従業員と目的を一に、毎日笑顔で仕事ができるよう、信頼される“大野屋マン”を目指していきます!