―都内の住宅地、駅からも近い立地ですね。
葛西周辺は住宅密集地で、お客様は徒歩か自転車がほとんどです。競合店は徒歩3〜4分のマルエツさん、ワイズマートさんでしょうか。創業は平成3年です。当時はマルエツさんが2店舗出店しており、業績もよかったので2店舗のほぼ中間、東西線葛西駅近くに出店しました。その後、千葉県寄りに、OKストア、イトーヨーカドー、東武ストア各店が出店しています。
―今回の改装について伺います。
当店は、創業当時からのお客様が中心なので、現在はご年配の方が多く、若い方が少ない傾向です。若いお客様を取り込めなかった要因は「20時閉店」「日曜休み」などがニーズに合わなかった経緯があります(改装後は「21時閉店」「定休日なし」)。また、当時は95坪の店舗で600万円を売り上げたと聞いていますが、業績が順調であったが故に対応が遅れた面も否めません。
―改装のポイントは。
通路幅を大きくとって若いお母さんがベビーカーでもゆったりお買い物ができるように、またご年配の方も手押し車でそのままお買い物ができるようにしたところがいちばんの特徴です。店内のインフラも省エネタイプへの転換を図ろうということも相まっての改装となりました。おかげさまで改装後若いお客様が増えています。
―商品では生鮮の割合が高いそうですが。
青果に関しては、ここは葛西市場の近くなので、当日仕入れ当日完売をモットーに、鮮度がいいものを薄利多売で安く販売いたします。この形は創業以来変わりません。鮮魚では従来の薄利多売という部分を180度転換したやり方も取り入れ、例えばインドマグロをはじめ、価格は高めでも品質にこだわった商品を中心に品揃えしています。築地が近く、鮮度も問題ありません。仲卸さんを通す仕入れが基本ですが、その日の出物やお買い得品などは毎日直接仕入れに行っています。
―精肉については特に自信がおありと。
先代の社長が精肉出身ですので、鮮度や価格で競合店には負けない自信があります。また現在の3代目社長の前身が豚肉の卸問屋なので、豚肉に関しては特に自信があります。豚肉は精肉部門の約6割を売り上げる中心商品として、銘柄豚を中心にほぼ国産しか扱っていません。とりわけ力を入れているのは「東の匠SPF豚」です。豚を育成する12人の匠たちが、豚本来の美味しさを追求したこだわりの豚で、研究熱心な生産者が集まり定期的に試食会も実施するほど。一方、牛肉では神戸牛や松阪牛など銘柄牛に力を入れています。比較的脂分の少ない熊本のあか牛の販売も始めました。
―お店づくりの取り組みについて。
各生鮮部門間のカベを少し感じるので、それを取り払いたいと思います。まずは、「葛西店全体のために」という意識を全員が持てるように、従業員とのコミュニケーションは毎日とるように心がけています。コミュニケーションに関して一例を上げると、これは地域密着型スーパーを目指す一環でもありますが、各部門の協力による全員参加のイベント、じゃんけん大会があります。参加資格のくじを引いて、お買い物ののち、従業員とジャンケンをします。お客様が勝てば半額、負けても3割引という内容ですが、お客様も含め店全体がひとつになるコミュニケーションイベントとして大きな効果があります。
―これからの抱負を伺います。
今回の改装を機にブルーチップ㈱のポイントシステムを初めて導入しました。ポイントプログラムや購買データなどを通じ、地域密着企業として新たなアプローチができるものと大いに期待しています。また、それらのツールを使って、売上はもちろん、品揃えやサービスなど、地道に検証を重ねて業績アップを見込める店を目指します。自分だけの力ではできないので、全従業員がひとつになれるような意識づけをして、活気のある店にしていきたいと思います。