―いらっしカード会の成り立ちを伺います。
カード会自体は、今から足掛け40年前ほどになりますが、鶴来地区と白山6地区でスタートした鶴来広域スタンプ会が最初です。途中からショッピングセンターのカード会も加わり、3つのカード会が存在しました。その後3つのカード会が一緒になって平成16年にいらっしカード会が発足。カード会を統合するときには調整役で商工会に尽力いただき、現在のいらっしカード会の形になりました。現在74の加盟店で構成されています。そしてこのほど、ポイント発行機器の老朽化と地域への関わり方をもう一度見直そうという動きが相まって統一カードのスタートとなったわけです。
―統一カードにする必要性があったと。
その背景には、お客様の高齢化が進み、また近隣との競争が激しくなる中で、いらっしカード会としての方向性として、今まで以上の地域密着と地域貢献を目指していく必要性があったということです。これまでは、ポイントカードといえば、単に販売促進としての側面が強いイメージでしたが、今回ブルーチップ(株)の提案により、カードの統一が実現し、販売促進の枠を大きく超えた効果が発揮されるものと大いに期待しているところです。たとえば、白山市と連携した見守り事業であるとか、県政情報の発信とか、単なるお買い物の利便性だけではなくて、地域への関わり、地域への関与というものを、お金だけではなく還元していきたいということが大きな目的です。
―補助金の申請経緯について。
1年限定という条件付きですが、補助金の仕組みを使えば地域貢献ができるチャンスがあるということで、新しい機械の導入の1年半くらい前に申請して応募したところ採択されました。商店街まちづくり事業事務局から機械導入に関わる全体の3分の2が拠出されました。導入の理由としては、電子マネーの導入、買い物履歴による高齢者見守り、ポイント発行機による行政情報の発信の3つが大きな柱となっています。
―販促に関しても変化がありますか。
従来、夏や歳末に実施している販促としては、ポイント交換市での商品交換、ガラガラ抽選会でのお買い物券の発行やポイントの付与など。また、ポイントプレゼントといって、お買い上げ1,000円で1個捺印し、10個貯まると100ポイントに交換する企画や、加盟店を一覧にして、期間内にたくさん加盟店を回るとポイントがもらえるといった、スタンプラリーに近いイベント企画で、年4回の販促を基本としていました。今後は、新しいポイント発行機やマルエー鶴来店、井口店のビームステーション(商品交換申し込みや買物券発券ができるキヲスク端末)などを使って、来店ポイントやクーポン企画を増やしていきたいと思います。
―今後の取り組みとしては。
やはり、新しい機械を販促に使うというのはこれまでになかったアプローチです。今まではカード入会のお客様データも落し物の時くらいにしか使っていませんでした。ですから、優良客への販促とか、特にお客様のデータを活用することでこれからの販促の考え方、やり方が大きく変化していくのではないかと思います。また、地域のお客様に新しいサービスを還元していくことによって、新たな地域との関係性強化にも期待しています。今、マルエー鶴来店、井口店に設置されたビームステーションの前では、知らないお客同士でも来店ゲームなどで会話が盛り上がり、また、操作がわからない方に教えてあげたりと、とても楽しそうです。コミュニケーションツールとしても素晴らしいと思います。もっと喜ばれるように、温泉とか地域の入場券なども入れてみたいですね。