―佐藤流売上UPの方法を教えてください。
自分なりに企画商品を決めて予約販売しています。今回のくず餅は、店舗で80個仕入れて29個はとくし丸が売り切りました。次はうなぎの蒲焼を企画しています。そのほかに、お客様からのまとまったご注文もあります。先ほどのお客様からは、初盆用に、素麺のギフトセット10個の打診がありました。早速ベニースーパーに相談してみますが、こういった冠婚葬祭への対応、特に突然の葬儀のご相談に、関連商品や関連情報をご提案できることも必要なのかな、と考えています。また、お孫さんのひな祭りや節句の関連商品なども然りです。さらに医療機関、美容院等々、紹介できれば便利ですし安心です。可能性の裾野はいくらでも広がると思っています。
―佐藤号の理念を作られたのですね。
毎日気持ちを整えるために、店舗の事務所に掲げています。基本理念は「すべてはおばあちゃんの笑顔のために」。そのために、「安全運転、商品満載、定時運行」を常に念頭に置いて営業しています。
―なぜ商品満載なのでしょうか。
とくし丸佐藤号の判断基準は「おばあちゃんのためになっているか」ですから、週2回のお買い物を楽しみにしているおばあちゃんのために、一般的な商品だけでなく高級品もできるだけ積み込み満載で走ります。大量に返却するリスクを避けて商品を絞り込む考えもありますが、佐藤号の理念がブレては何にもなりません。幸い、売上ベースも6万→7万→8万円台と伸びているので間違ってはいないと考えています。ただし、この方法がとれるのは、ベニースーパーの商品、スタッフの方々へ絶対の信頼が持てることと、お店の全面協力があるからです。本当に感謝あるのみです。お店の負担を少しでも減らせるよう、もっと効率的に商品をセグメントすることが今後の課題です。
―これからとくし丸を始める方にひと言を。
お客様と話すのは楽しいということと、お客様が商品選びに迷っている時間を大切にしてもらいたいということです。私は、お客様が迷っているときは極力声をかけません。もっと迷ってほしいからです。おばあちゃんたちは、食べ物は宅配のお弁当、着るものは孫が買ってくれたりと、生活シーンで迷う場面が極端に少ないと想像できます。「このマンゴー2800円もするけどどんな味かな」「思い切って買ってみたらすごく美味しかった」というふうに、迷った末に美味しい感動を味わってもらいたいのです。
―今後の目標についてお聞かせください。
一つには売上10万円達成。二つ目は、今はベニースーパーという冠が付いたとくし丸ですが、1年以内に「佐藤です」と言えばわかっていただけるようになりたいですね。三つ目は、2年以内に佐野店から2台目を走らせたい。それには、私が結果を残して認められなければなりません。お店の収益を上げ、おばあちゃん達も喜んで、自分の生活も安定して初めて、2台目が実現できると思います。
―長期の目標としてはいかがでしょう。
将来的には、私のあとに5台10台と続いて、地区本部の小規模版をやってみたい。そのころには、お店もとくし丸に商品供給をしていく倉庫の役割もプラスして、店舗規模も大きくなり、我々も商品開発や仕入れに少しは関わったりできるかもしれません。ベニースーパーの商品だから間違いないと言われるように、とくし丸が販売しているのだから間違いない、と言われるようになれば楽しいですよね。それが夢です。
―ということは、とくし丸の将来性は。
もう間違いないですね。とくし丸には多様なサービスを提供できる大きな可能性があります。今後も、できると思うことは、たとえ自分が空回りしてでも続けたい。最近では小さなお子様も「あ、とくし丸だ」と声をかけてくれるようになりました。その子達を見ていると、あと何十年か先のお客様だなあと思ってしまいます。