2016年7月3日(日)関東地区のとくし丸に従事する約40名の方々が一堂に会し、第1回とくし丸関東大会が開催されました。現在とくし丸は全国に140数台を数え、ますます勢いを伸ばしています。今大会は主な参加者である販売パートナー向けの構成となっており、特に個人事業主向けに税務の講義なども盛り込まれました。また、買い物難民である高齢者を顧客とする販売パートナーにとって必要な認知症サポーターとしての基礎講座も設けられました。さらに、事例発表、グループワークの発表と続き盛況のうちに閉会。日々、一人で販売活動を行う販売パートナーにとっては貴重な情報交換の場となりました。特に、販売パートナーの方々はほとんど初顔合わせとのことで、盛んにコミュニケーションを図っていました。以下は、認知症サポーター講座、および事例発表のなかから抜粋した内容です。最初に認知症高齢者グループホームサンライズホーム管理者の佐藤利弘氏の認知症サポーターの講義から紹介いたします。
「この養成講座を受けられた皆様は認知症サポーターとなります。現在認知症サポーターは750万人いらっしゃいます。サポーターというのは特別なことをすることではなく、認知症に偏見を持たず正しく理解している人、認知症の方を目の当たりにした時に優しく見守ってあげられる人のことです。認知症を知らないと、何か恐ろしいものに見え、知らないから否定するということに繋がりかねません。認知症の方を見かけたら、急がせない、驚かせない、自尊心を傷つけないことが大事です。ゆっくりとした動作で、後ろからでなく優しく前から声をかける。我々のセンターの入居者の例ですが、『お腹がすいたから家に帰りたい』と言うのです。ある介護士は『家には帰れないでしょう』と言い聞かせますが納得しない。別の介護士が『パンがあるから食べましょう』と言ったら落ち着きました。この場合、ニーズは帰ることではなかったのです。言葉にとらわれずに本人のニーズを掴むことが大切です。認知症といっても症状は様々。『パーソンセンタードケア』と呼びますが、その人を中心としたケアで落ち着いていきます。また自宅の冷蔵庫がうなぎの蒲焼でいっぱいの方がいました。皆様のお客様にも認知症の境界線の方がおられるかもしれません。『またそれ買うの?』と優しく聞いてあげると、本人がハッとして気づくということもあると思います」。
次に、株式会社よしやのとくし丸1号車、田中広明氏の事例発表から紹介いたします。
「乗務したのは一昨年の10月から今年の2月までです。最初は日販3万円を切ったことが4回ありましたが、会社から売上に関して何か言われることは一度もなかったですね。その分、どうしたらお客様に喜んでもらえるかを真剣に考えました。訪問時間厳守の徹底、商品を見せる工夫、試食の実施などです。また、お正月にはポットで甘酒を配るなどして、ようやくお客様を名前で呼べるようになると要望が増えてきました。2月3月ごろ、8万円を超え初めて10万円を達成。売上は後から付いてきたのです」。
続いて株式会社文化堂2号車の志村孝雄氏からは売れ筋の青果の陳列について紹介いたします。
「スーパーでは青果は入口近くお店の顔です。とくし丸でも、旬を一番見せることができる青果をお客様が見やすく取りやすい車体側面に配置しています。とりわけ果物の売上構成比は14.6%と高いので、おばあちゃんの目に付く下段に陳列。野菜全般は中段、土物野菜は上段となります。『見やすく、取りやすく、真っ直ぐに』が陳列のキーワードです。また、全体のカラーコントロールをイメージして陳列するのも重要なポイント。商品の顔づくり、例えばリンゴは一番赤く鮮やかな面を正面にすること、カット野菜は切り口を正面にすることが基本。皆様の販売活動に少しでも役立てればと思います」。