―お店について伺います。
昭和37年にスーパーを始め、63年に現在の場所に移転。その後3度の改装を行っています。当店は牛久地区の中心部、勝浦街道(国道297号線)沿いの立地。お客様は主に地元の兼業農家の方が中心で圧倒的に年配の方が多いですね。日本の過疎地域の特徴です。お店も少なく競合状況は比較的緩やかですが、その分人も少なく相対的に厳しい状況です。
―年配のお客様に配慮した商品を。
さほど意識はしていませんが、やはり良い商品と言いますか、第一に安全で、おいしい商品を品揃えするようにしています。特に、和風の商品が売りやすいですね。おひとりのお客様向けに中パックや小パックを揃えているのですが、まだまだです。お客様からも量目が多いとのご指摘をいただくこともあります。惣菜はほとんどがインストアで手作りしているので、商品供給への対応が不十分なところが課題ですね。
―生鮮3品の力の入れどころは。
3品ともに力を入れているつもりです。平均的にと言ったほうが良いかもしれませんが、売上構成比で言うと、だいたい13〜14%で並んでいる状況です。
―商品のこだわりについて。
なるべく他店で売っていないような商品を品揃えしています。今青果で力を入れているのは生産者直売コーナーやオーガニック野菜、特別栽培の野菜等です。昨年から始めた生産者直売コーナーでは地元の生産者の持ち込みで価格も設定していただいています。現在40~50名くらいの参画があり、青果の売上構成比30%以上、できれば半分までを目指しています。鮮魚は、地元の中央市場からの仕入れが基本ですが、週1回は地物の丸魚を入れるようにしています。その他ボランタリーチェーンの紹介があった商品を直送で仕入れたり、また、知り合いの紹介等、市場よりそちらに力を入れています。地元ならではの例ですが、冬場にかけて近くの高滝ダムでワカサギ釣りが始まります。3年ほど前に、釣れすぎた分を引き取ったのが始まりで、今ではお店の名物コーナーとして鮮魚で販売したり、からあげにしたりしています。期間を通じて地元産直の味を届けられます。
―お客様のご意見などは。
できる限りお客様の声は活かしていくというのが基本姿勢です。ご意見を書いていただくコーナーも設けていますが、最近のご意見では、清掃のご指摘がありました。気づかない部分のご意見は、非常に助かることがあります。なかには他店と比べて値段が高いという声もありました。
―そういう時はどうされます。
価格交渉をして価格を下げることができた例もあります。また、高い国産の乾燥ひじきだけでなく安いものも置いてほしいというご意見もありました。以後置くようにしましたが、一方に行き過ぎてはいけないのですね。NBで売れているお手頃価格のものも、きちんと品揃えすることを改めて気付かされました。
―無料送迎バスがあると。
5年ほど前から週4日間、火曜金曜のコースと水曜土曜のコースの2ラインを、定員9名で運行しています。また、とくし丸も評判いいですね。昨年の10月に始めて、個人事業主さんに引き継ぎましたが、その後も順調で、最近では日販10万円を超えることもあります。そのほか、野球チームなど地元のボランティア団体にレシートの額面の1%を寄付する「1%クラブ」の取り組みを行っています。今年は11団体のボックスを店内に設けてあります。
―将来のビジョンを。
日本全国、田舎に行けば行くほどお店がない状況です。ここも然りです。当店は近所のおかげでやって来られました。これからも、地元で続けていきたいと考えています。この店がないと困る人がいる。必要とされる限り地元の皆様と共に発展していきたいと思います。