―昭和町店の商圏について伺います。
昭和町店は米子市の中心部に位置し、商圏は南に向けて広域に形成されています。店舗周辺はマンションなどの集合住宅より一戸建てが多く、特に高齢者の単身世帯が多いという特徴があります。主な競合店はイオンさんや丸合さんとなりますが、2年ほど前から、トライアルやコスモス、ダイレックスといったディスカウントスーパー各社の出店が相次いでいます。もともと米子市は値段に敏感なお客様が多い地域ということもあって、このところのディスカウント勢の出店により、価格競争に一層拍車が掛かってきているという状況です。
―ディスカウントの攻勢へはどう対応を。
昭和町店のコンセプトとしては、まず安心安全がモットーであることと、品質・鮮度は絶対に落とさないようにして差別化を図っています。それから、決して安易な価格競争に落ち込まないように注意しながら、メリハリのある価格訴求を心がけています。
―そのほかの対応については。
山陰地方では、地物を好む傾向が強いため、地元食材には特にこだわって品揃えをしています。それから、販促の部分では月に2回ほどポイント10倍やブルーチップギフト券の日を設けています。また、水曜バザールや毎月最終日曜日に大ごっつぉ(ごちそう)市、月に1度の産地フェアを開催しており、いずれも大好評です。
―改装されましたが新店舗の特徴などを。
2016年12月2日に約1か月の改装期間を経てリニューアルオープンしました。今回のリニューアルの目的のひとつに、店内環境の整備があります。店内のLED化により、省エネはもちろん商品にも優しい店内環境を実現しました。また、グロサリーのゴンドラを1本削り、今まで狭かった青果から鮮魚への通路を広げ、改装前に比べてゆったりお買物をしていただけるよう改善しました。さらにイートインコーナーでは、より快適に過ごしていただくために、パソコン電源やWi-Fi環境を整備しています。
―商品の品揃えに変化は。
従来ホックでは島根和牛がメインでしたが、改装を機に、初めて地元南部町で育てられた恩田さくら和牛の販売を始めました。また、競合店ではあまり見かけないホルモンやにんにくを揃え、昭和町店で初めての試みとなる「燻製マーケット」といった差別化商品も提案しています。そのほか、イートインコーナーでは塩冶店に次いでモーニングサービスを開始しました。自家製のフレンチトーストやネッカ卵(バイオマスによる天然飼料を与えた安心安全な卵)と地元の醤油屋さんの醤油を使用した卵かけごはんセットなどが食べられます。さらに、アメリカのスーパーで見かけるような、店内で調理したメニューがすぐ食べられる試みにもチャレンジしています。
―今後の抱負についてお話ください。
私自身、現在14店舗展開している中で半数以上の店舗の店長を経験しましたが、着任当初はいつも苦労ばかり。すぐ隣の市の店舗に異動となっただけでも、その地域の文化は全く異なっていたため、常にゼロからのスタートで、従業員やお客様の声を聞きながら売場を作ることに大変苦労しました。しかし、おかげさまでその中から貴重なこともたくさん学びました。今後は、生鮮と、惣菜・海鮮寿司・ベーカリーといったオリジナル色が出せる商品を強化し、他社との一層の差別化を図っていこうと考えています。また、人口が減り、高齢化が進んでいく中で、READYtoMEAL商品や少量パック商品も充実させたいという想いもあります。新しいカテゴリーに積極的に挑戦して、地域一番店を目指していきます。