スタートから台数は10倍に
―とくし丸の現況について。
とくし丸は、2012年2月からスタートして、現時点で5年余りが経過しました。ブルーチップとくし丸事業部については、参画したのは2014年7月ですが、実際に稼働を始めたのは10月になってからです。現在、やっと2年半が経過したところです。とくし丸事業部の稼動当初は、とくし丸が21台、とくし丸事業部が3台の合計24台からのスタートでした。それが、1年後の2015年10月には合計81台まで増え、2017年2月末時点では、合計200台を突破(内事業部の台数は80台超)となりました。実に、当初の10倍の車両が全国を走っていることになります。
―2015年から急激に伸びたのですね。
そうですね。特に2016年に入ってからの伸びが著しいと思います。参加企業様も2012年は10企業からのスタートでしたが、2017年3月末時点では65企業にまで増え、自治体別にも38都府県に広がり、ほぼ全国をカバーするまでに成長しました。しかしながら、ひとつの県で数台が走るという現状では、今後まだまだ台数を増やしていかなければ、買い物難民の救済にはたどりつけないということだと思います。
さらなる増車を目指して
―台数の目標があると思いますが。
基本は1企業様10台が目標。65企業×10台、650台を目指していますので、台数をいかにスムーズに増やすかを各企業様と話し合いながら動いています。今後は既存のスーパー様に増車をしていただくスピードがカギになります。
―企業数について今後増える見込みは。
もちろんまだまだ増えていきます。現に4月には毎週研修する企業が決まっているので、3社が契約見込みということで動いています。また、今後は、中堅から大手のスーパーも参加してくるのではないかと見られます。
―他社との競合も激しくなりそうですね。
2017年は移動スーパー元年とマスコミでも取り上げられているように、コンビニやスーパー各社も、よりとくし丸に近い形態の車両を出してくるようになりました。我々としては、大手の知名度に負けないように土台をしっかり築き上げ、とくし丸を広げて、面を押さえていく努力を続けていく考えです。
―先手を取る必要があると。
そうです。しかし、知名度からいっても大手に対抗することは厳しいでしょう。共存するという場面も出てくると思いますが、その中で心配なのは、採算が取れないと、すぐに撤退するのではないかという懸念です。その場合、後でとくし丸が出向いたとしても、お客様は移動販売自体を信用されなくなってしまい、受け入れていただけなくなるかもしれません。それでは、買い物難民を救えなくなってしまいます。このことも、とくし丸が先にやらなければならない大きな理由です。
顧客満足度と売上は直結!
―福祉と採算とのバランスは難しいですね。
現在、とくし丸の売上はかなり確立されてきていますが、その背景には、お客様に喜んでもらおう、という個人事業主の取り組みがあります。個人事業主の創意工夫、努力によって、購入単価が自ずと上昇傾向となり、日販を押し上げる結果をもたらします。実際、日販10万円を超える事業主さんは、どうしたらお客様に喜んでもらえるかを常に考えて行動しています。反対に、売上が停滞しているところは何の提案もなくお客様が飽きているのではないでしょうか。とくし丸の強みは、お客様に喜んでいただこう、という事業主さんの理念と、とくし丸の仕組みが合致しているところだと思います。個人事業主の希望者はたくさんいらっしゃいますが、とくし丸は、大きく儲かるものではないことをよく理解していただき、社会貢献もしたいし、ビジネスとしてもやっていきたいという方とだけ契約しているのです。ですから、時にはお客様のことを考えて売り止めをすることも、とくし丸ならではの商売のあり方です。商売と社会貢献は相反するものではなくて、お客様とのふれあいの結果が売上につながるものだと思っています。(次回へ続きます。)