大学教授からも注目を集める
―大学の調査依頼があったそうですが。
東京大学の大学院教授から高島平地区の買い物難民調査をしたいとの申し入れがあり、GPSを使った地区ごとの購買動向調査に協力しています。また、とくし丸でも利用できるような、通知システムを予定しています。これは、車両がある時点を通過する際に、次の訪問先にあらかじめ出発したことを知らせる仕組みです。据え置き型のアイテムや携帯電話などでお知らせできれば便利になると思います。
―お客様との話題作りにもなる事例ですね。
とくし丸が専門の研究者の方からも注目される存在であることは、そのまま社会的な関心の高さや信頼を示しています。この高島平地区では、売上のほうも当初は日販4万円前後でしたが、半年が経過した今では、特に個人宅のお客様が増えて日販10万円くらいまで伸びてきました。
メディアへ積極的アプローチ
―最近はメディア露出が少ないようですが。
テレビ各局が一巡した感じですね。取材依頼も落ち着いてきましたが、とくし丸の知名度はかなり上がってきたと思います。最近の例では、埼玉のスーパーさんがテレビ放映された翌日に数件、販売パートナーの応募があったとのことです。お客様から寄ってほしいとの要望もありました。事業部の最大の使命は、とくし丸を必要とされる方をいかに見つけるかですから、メディアへのアプローチは今後も積極的に続けていきたいと思います。ニュースリリースについても、基本的には取り上げてもらえればラッキーという姿勢で、可能な限り発信していきます。開業のお知らせや、女性初のパートナーなどの話題や、なかには見守り事例として、お客様から金取引の勧誘の電話があったことをパートナーが耳にして、警察に通報、詐欺防止で表彰された事例もあります。
目標500台達成のために
―とくし丸事業部の業務を簡単に。
大きくは、採用や需要開拓、トラブル対応などの実質的な現場のサポート業務と、マニュアルの整備、研修指導、契約業務、増車計画など、とくし丸事業全体の推進を担う業務になるかと思います。
―オイシックスの参画で変化は。
2016年5月から、とくし丸はオイシックス傘下として新たなスタートを切りました。最大の目標は、オイシックス参加後向こう3年間で500台を達成するというものです。そのためには、とくし丸をきっちりとした構造として再構築する必要があります。現在は、とくし丸、オイシックス、ブルーチップの三者がノウハウを共有しながら、ひとつのものを作り上げることに邁進しています。すでに、マニュアルの整備や研修制度、ノウハウの視覚化、明確化の部分についてはオイシックスとの協働により、かなり構築されてきたと考えています。特に、パートナーを守る法律面のバックアップ、車両保険や車両の発注などのマニュアルは、とてもわかりやすいものになりました。スーパー側からも、見れば安心というレベルのマニュアルに仕上がっているのではないかと好評価をいただいています。
誰でもできるとくし丸を!
―とくし丸事業部の今後の抱負について。
500台の目標を目指して、とくし丸を全国に拡大することはもちろんなのですが、それと並行して、全パートナーの声が直接共有できたり、とくし丸に携わる全員がノウハウに触れることができたりするような仕組みを、オイシックスと共同で構築したいと思います。さらに、集めた情報を解析、整理、蓄積して問題解決の専門機関になるべきだと思っています。現在、増車を希望するスーパーが圧倒的に多いのですが、その地域で働くことができるパートナーが決まらないことが最大の課題です。今後いかにして、個人事業主希望者とスーパーをマッチングさせるかが重要となりますので、その解決策を模索し続けたいと思います。また、新人でもとくし丸事業部の運営が問題なくできるようにしていきたいと考えています。それらがいちばんの抱負ですね。