とくし丸はプラスαの売上貢献
堀内:とくし丸の利益について説明いたします。とくし丸の粗利益率は約30%ですが、そのうち13%がお店の収益となります。とくし丸が稼働するということは、単純にお店の売場が増えるということです。それもただ単に増えるのではなく、専門の販売員が直接お客様に商品を勧めることができ、新商品やお客様が望む商品も揃えることができるため、効率良く売上増が期待できます。ほとんどのスーパーでは、従業員の人件費が織り込まれた上でしっかりと利益が出ています。部門構成比については、一般的に惣菜と一般食品などが上位になる傾向にありますが、鮮魚や果物が一番売れる例もあるので、潮来店では違う結果が考えられるかもしれません。とくし丸のお客様は70歳以上の方が中心ということもあり、肉より魚が売れる傾向にあります。そのため精肉部門は恩恵を受けにくいかもしれません。品数を抑えるなどして、効率の良い品揃えにする必要があると思います。

大川:価格について補足説明しますと、お客様からの値段についてのご質問には「店頭価格と同じ商品もありますが、基本的には“商品1点につきプラス10円”を採用しています」と答えてください。また、今日の説明を聴いて「仕事が増えてしまう」と思うのでなく、とくし丸は売上のプラスαを作るサービスだと思っていただきたいのです。売上アップのために、特に新しい仕組みを作るとか、誰かの手間をかける必要はありません。販売の担当者が増えたと考えてもらえればけっこうです。積み込む商品の量は増えるかもしれませんが、売上増に必ず結びつきます。とくし丸は現在全国で220台ほど走っていますが、平均して1日約84,000円を売り上げています。その平均値をクリアし10万円の壁を破りたいと思っています。もしそうなれば、潮来店の売上が毎月約200万円アップすることになります。そういったビジネスに育てていきたい。しかし、そのためには潮来店の皆様のご協力が必要であるということを念頭に、とくし丸が紹介されたテレビ番組「モーニングショー」のビデオをご覧ください。

堀内:今ご覧いただいたように、1回で5千円とか1万円の買物をされる方もいらっしゃいます。量は少なくてもおいしいものをと、食に関心が高い方が多いので、高価な商品でも、販売員の方とのコミュニケーションによって売れるという期待がもてます。以上で説明を終わり、質問を受けたいと思います。
1軒1軒訪ねてこそ売上UP!
Q 正規価格での販売ということですが、特売商品などはお客様のご自宅にチラシが入るので特売価格でないとクレームになるのではないでしょうか?

A 需要開拓のときに納得していただくので、基本的に問題はありませんが、質問をいただいたときは、とくし丸は特売価格ではなく正規価格プラス10円をご負担いただくというルールを改めて説明してください。とくし丸のサービスは、自宅のすぐ前で買えるというものです。そのサービスを維持するには“通常価格プラス10円”が必要であり、それがとくし丸の適正価格です。お客様にはその価格の意味を理解していただいたうえでご購入していただきます。

Q 1軒1軒訪ねてお店の準備をするのは時間がかかるので、たくさんのお客様が集まれる場所に停めたほうが効率的ではありませんか?

A よくある移動販売の方法ですね。公園等に停める方法は効率が良いように見えますが、採算が取れないことも多いのです。車を停めて店を開くのに1分もかかりませんし、とくし丸を必要とされているお客様にピンポイントで伺うことで、確実に売上増に結びつきます。1日に50軒ほど訪問しますが、団地を訪問するときなどは住人の方々が大勢来てくださることも。今後、とくし丸が稼働すればとくし丸の話題がクチコミで広がります。とくし丸を必要としてくださるお客様のためにも、コースの見直しなどをしてもらえれば、さらなる売上増が期待できます。

(文中敬称 略)