町全体が熱い!ガルパン効果
―リニューアルの考え方を伺います。
一番は地元のお客様に以前よりも、買い物がしやすいと感じていただける売り場を提供したいということです。近隣のディスカウント各店のような激安路線では、地域のお客様に満足いただけないということで、当社の理念にある「地域の1店1店を最良にしたい」という想いから、7店舗目となる食彩館タイプの店舗として改装しました。直接の競合はエコスさんですが、競争意識を前面にというよりは当店の個性を磨きつつ、さらに付加価値のある売り場を目指します。次に、今回の改装では、大洗町全体が人気アニメの「ガールズ&パンツァー(以下、ガルパン)」の聖地として、全国からファンの方が多数訪れているという背景をもとに、店のコンセプトづくりを行いました。大洗町の発展や繁栄のお手伝いと地域に深く根ざしたお店を目指すというものです。ガルパンデザインで店舗の名刺も制作して、町ぐるみで大洗町をPRしています。大洗町の景色がほとんどそのままアニメに出てくるほか、劇場版には当店も登場しています。全国から来られる方々のために、商店街の皆さんとともに一生懸命に取り組んでいます。
―客層についてお聞かせくだい。
以前は50、60代の方が中心でしたが、改装後は若い方、お子様連れの方も増えてきました。また、大洗町は海水浴場やキャンプ地としても人気のため、土日は行楽のお客様が多数来店されます。特に、店舗の隣が市営のキャンプ場で、7月から8月のお盆くらいまではキャンプのお客様が多く、夏休みも重なり若者や家族連れで賑わいます。加えて、4月28日の改装オープン以来、ガルパンファンの方がSNSで発信するブログなどを見て、別の方が訪れるという広がりができています。この時期は、一般のお客様、行楽のお客様、その中にもガルパンのお客様と、いろいろなお客様がいらっしゃるので、かなり忙しいですが楽しいですよ。
手作り惣菜は40%伸長
―改装で変わった点は。
売り場の拡大はもちろんですが、最も力を入れたのは惣菜です。天ぷらの手作りにこだわり、自慢のかき揚げは好評です。時には鮮魚部門のイワシの開きをそのまま天ぷらやフライで提供。メヒカリの唐揚げなども並びます。ほかにも、焼鳥は生肉から串を打ち、スチームコンべクションで蒸し焼きにしていて、今や、人気商品のひとつになっています。和惣菜では、青果部門の茨城名産江戸崎かぼちゃや那珂かぼちゃを丸ごとカットして煮物にしています。牛肉は「焼肉をしたいけど、種類が少ない」という声に応えて8尺きっちり面を取り、品揃えも増やしました。そのほか、店舗内に100円ショップのキャンドゥをコーナー化しました。レジが共通なので、利便性も高くなっています。
―改装後の売上について。
いちばん伸びているのは惣菜で、改装前の40%アップ。構成比も10%を超えてきました。次に売り場構成比を変えた精肉部門が30%伸びています。なかでも牛肉は70%近く伸びました。鮮魚は、漁師町という魚にシビアな土地がらか少し苦戦しています。
“食彩館”を体現できる店舗へ!
―今後の抱負を伺います。
改装が決まったのが1月と準備期間が短く、食彩館のコンセプトを具体的に落とし込む時間が足りませんでした。逆にその分伸びしろがあると思っています。例えば、精肉のインストア化はぜひやりたかった今後の目標です。とはいえ、売上はまだまだ。鮮度管理、クレンリネス、接客等を全員でレベルアップさせて、満足いただけるお客様を少しずつ増やしたい。それが、新しいお客様を呼び込むことにつながればと思います。当社社長がよく話すのですが「努力をした人がすべて成功するものではない。しかし、成功している人は必ず努力をしている」。なるほどと思います。いくら努力しても売上が上がるとは限りませんが、努力をしなければ、間違いなく売上は上がりませんから。